日本一周by自転車

定年退職を機に、「もっと日本のことを知りたい」との思いから日本一周に挑戦。
4,800kmを走ったところで事故にあい負傷。
一度、心に決めた目標は絶対に達成する!!
2年後、「北海道開拓の歴史をたどる旅」をテーマとして再チャレンジ!
2008年10月遂に日本一周を達成。
夢はまだ続く。
新しい目標は、自転車で旅をしながら郷土の歴史を調べる。
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2013年冬の斜里
JUGEMテーマ:旅行


「冬の斜里」(2013年2月26日〜2月27日)

 昨年10月下旬から11月の連休にかけて行った「弘前・津軽の旅」の続編として、冬の斜里を訪ねた。とは言っても、自転車旅行ではなく列車を使った小旅行であるが。
 ところで、斜里とはどこか?
 世界自然遺産に登録された「知床」のある町で知床半島の付け根にある。
 昨年(2012年)来の旅のテーマとして、幕末に行われた津軽(弘前)藩による斜里警備での殉難の歴史をたどってきた。8月下旬には北海道の北見〜斜里へ、10月末から11月の連休にかけて青森県の弘前・津軽の自転車旅行を行った。
 そんな中、ちょっと気になっていたのは、多くの侍たちが飢えと寒さでなくなった冬の斜里とはどんなところなのだろうかであった。北海道に40年あまり住んでいるので大体の想像はつくが、やはり行ってみたい。そして、この際、まだ一度も見たことのない流氷をこの目で確かめて見たいと思った。
 2月下旬となると厳しかった冬の寒さも若干和らぎ、日中はプラス気温になる時も多いが、最低気温は、まだ、マイナス10度近くある。これが、ここ斜里の気候である。
 幸か不幸か今回の旅程の2日間の天気は、斜里岳の頂上までがすっきりと見渡せるほぼ快晴。流氷も想像していたほど荒々しいものではなかった。

 話はいきなり斜里まで跳んでしまったが、往路の列車移動間にあった話から順をおって記録に残す。
 今回の旅行のことを、ある自転車仲間に話をしたら、オホーツクの海岸沿いにある駅、「北浜駅」の駅舎が喫茶店になっているので、そこから眺めるオホーツクの海は一見の価値があるよと言われた。
 その時、時間があったら立ち寄ると返事をしたが、多分、途中下車して次の電車が来るまで待つのは難しいのではと思っていた。
 朝7時21分札幌発の特急オホーツク号は12時46分に網走駅に到着した。乗り継ぎの斜里行きに普通列車は13時29分発で少し時間があった。そこで、何となく駅の待合室に置いてあった列車時刻表のページをめくったら、13時29分発の約30分後に『ノロッコ号』という臨時列車が走っているのが分かった。この臨時車のおかげで、北浜駅舎のコーヒーを飲むことができそうである。
 斜里へ向かう列車は1両編成の電車。流氷が見れる海側の座席をさがし、地元の人らしきおばさんに声をかけ合席をお願いした。「観光ですか?」と、挨拶がてらに第一声を発したのは、おばさん(私より少々お年を召されていたようで。)だった。その人。斜里の人で、北浜駅まで斜里の話を聞かせてもらった。話が弾み、すぐに北浜駅に到着した。ホームの前は流氷の海だった。


「北浜駅」


「駅舎内思い出の書き込み」


「斜里から到着する列車」


「網走から到着するノロッコ号」

 そして、駅の駐車場には観光バスが駐車しており、多くの観光客がホームにたむろしていた。ツアーの人らしく、ここから斜里までは『ノロッコ号』で移動し、多分そこから、バスで知床温泉まで行くのだろう。
 私はそれとは関係なく、「コーヒーを飲みながら海を眺めるのがいい」。と言われた通りに、コーヒーを注文した。
 窓の外を眺めて思ったのは、「雪原のような流氷に覆われた海より、青い海原のほうがこの駅に似合う」。である。私に伝言した自転車仲間にとって、この駅に特別な思い入れがあるようであるが、残念かな、この様に観光客が多数たむろし、長い間列車にゆられてきた者には特別な感慨を持てなかった。
 やはり、旅人の胸中になるには、場所、景色、時間、人、それらが融合した独特の雰囲気の中に身を置くことが必要なのだろう。
 ここから斜里までは、多くの観光客を乗せた4両編成の特別列車で、ガイドの案内を受けながら眼下の流氷と、天上の斜里岳を仰ぎ見つつ移動した。


「ノロッコ号の車内」

 斜里のホテルにチェックインしたのは15:00前。その後、すぐに、斜里町立知床博物館へ向かった。アポを入れた16:00時までに少々時間があったので、流氷の海を見に行こうと、途中、海岸に向かった。そこは、斜里漁港の東側にある水産加工場の奥の海で、夏に来た時は貝殻ばかりか海藻のかけらもない無機質な海であった。


「鱈の干し物」


「陸に上がった漁船」

 流氷の上に雪が積もり、ちょっと不安でもあったが、防波堤に人影があり、その防波堤に向かって歩みを進めた。
 その人影の主とすれ違いざま会話を交わしたが、地元の人で、昔はこの周りは流氷の山で、スノーモービルを乗りまわし、時々、海に落ちたこともあったと話してくれた。「防波堤の先からの眺めは良いよ」。と、言ってくれた通り、知床連山をバックにする流氷の塊は絵になった。

 16時過ぎに斜里町立知床博物館に到着した。面談を申し込んだ館員のM氏とは夏以来の再開で、話も弾んだ。こちらからは11月に弘前・津軽へ行った時の話を、氏からは今年行われる弘前との交流事業等について説明を受けた。


「斜里町立知床博物館」

 26日は、ここまでで、ホテルの源泉かけ流の湯につかり休んだ。

 翌、27日もほぼ快晴の天気であった。気温も日中プラス気温。
 この日の予定は、10時30分頃に北のアルプ美術館で館長の山崎氏と面談すること、それ以外は、列車の出発する15:20分までフリータイムである。
 北のアルプ美術館の館長山崎氏とお会いするのは2度目で、夏の旅行時、飛び込みで面談を申し込んで氏から色々な話をうかがった。大変機知に富んだ話の内容で心を引かれた。「もう少し話しを聞きたい」。今回も、昨日、列車待ちの網走駅から電話を入れ、面談をお願いした。
 話題は、最近、流氷の厚さが薄くなった。それはなぜかと言うオホーツクの流氷の話から始まり、気候の変動、自然環境の変化、自然環境を守ることの大切、さらには、カメラの話し、最近の登山者など、多岐に及んだが、1時間近くお相手をしてもらった。

 北のアルプ美術館は、1958年創刊、1983年300号をもってその幕を下ろした山岳文芸誌「アルプ」が残した精神を引き継ごうと、山崎猛氏が私費を投じて1992年に建設した美術館で斜里町にある。
 館には「アルプ」の編集長であった、哲学者、串田孫一氏が使っていた書斎が復元されている他、「アルプ」に寄稿された多くの方々の原稿、写真、原画、彫刻などの寄贈を受け展示されている。
 建物は、明治44年、この斜里に5,600haと言う広大な農地、山林を持ち、昭和40年代まで、斜里の畜産、酪農をリードしてきた三井農林斜里事務所を改修したものである。
 「なぜ、ここ斜里にあるの」と、びっくりされるほど立派な美術館である。


「北のアルプ美術館」

 今回、旅行の目的は、流氷の海と冬の斜里岳、周辺の景色、斜里の気候を体感することとで、それらの目的はほぼ達成した。
 それと、津軽藩士殉難慰霊碑の参拝であるが、こちらの方は、博物館の前から、小道がついており、その道を進んで行ったが、その小道が踏み跡になり、ついにはその踏み跡も無くなってしまった。短靴仕様の雪靴では近づくことができなかった。林越しの碑に参拝し、退散した。


「林内から慰霊碑に手を合わす」

 帰りの列車は15:20斜里発の普通電車、網走からは17:18分発の特急オホーツクである。
 昼食後、出発までに3時間近くの時間があったが、列車での旅は旅先での移動手段ないため辛い。徒歩だと、行動範囲が限られてくる。
 そこで、また、海と山の景色を眺めるため海岸に出た。
 しかし、当然であるが、正午近くの太陽は斜里岳の頂上近くにあり、山は太陽の光線にさえぎられ、輝きを失っている。知床連山も霞をかぶったようで精彩がなかった。もう少し、太陽が傾いてくれればと残念に思った。そして、ゆっくり防波堤を突端まで進んだ。
 防波堤には大小の氷の固まりが被さっていた。防波堤の高さは海面から2m近くある。流氷はこの高さを乗り越えて来るのだろう。自然の力とは大きい。しかし、周りの海には大きな氷の山は無かった。雪をかぶったスケートリンクのように平らな氷の海に、所々に、うねりで生じたような氷の固まりがあるだけであった。昨日、この堤防ですれ違った地元の人が言っていたとおりである。よく観光ガイド用のポスターには、折り重なる氷の山が映っているが、そんな、氷山のような流氷は、ここ斜里の海岸には無かった。

「知床連山」


「海別岳(26日に撮ったもの)」


「斜里岳(26日に撮ったもの)」


「斜里の流氷」

 つい先ほど、北のアルプ美術館の館長さんが話していたとおり、気候が変動し、自然環境が変化しているということが体感できた。我々今を生きている者が何かをしなければならないと言う言葉に重みを感じた。

 総じて今回の小旅行。往復の列車移動に12時間、それと、駅の待合室にいる時間の合計がプラス2〜3時間。ちょっと時間にぜいたくな旅であったが、博物館のM氏、北のアルプ美術館の館長さん、地元に住む方とお話しができたのが最大の成果であった。

 

11:14 | 2013年冬の斜里 | comments(2) | -
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コメント
チャリダーのヒデです。
今度は斜里まで行かれたんですか。
流氷を眺めながらのコーヒーも最高ですね。

最近やっと雪解けが進んできました。
特に太平洋海岸近くの街では雪もすっかり解けていますので、
こちらは太平洋側で自転車を楽しんでいます。

とにかく初めての道を走るのを最高の楽しみにしている私にとっては
遠くの街に惹かれる思いがあります。
テツ様の様に自由に遠くへ行けるのが羨ましいです。
それでは。

2013/04/02 9:42 PM by Hide
Hideさんへ

久しぶりです。
もう自転車を始められていますか。
札幌市内の道路はやっと雪が無くなったところで、
冬の遊びも好きな私は、まだ、スキーに励んでいます。
今月いっぱいはスキーと雪山を楽しもうと思っています。
とは言いつつも、4月中旬頃から近間で足慣らしの走行もする積もりでいます。
楽しみなシーズンの到来ですね。

テツ

2013/04/03 6:01 PM by テツ
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